<書籍レビュー> 知能は遺伝するのか 『言ってはいけない』『もっと言ってはいけない』 橘玲

橘玲の本です。まずは出版社からの本の紹介文の引用。

 

この社会にはきれいごとがあふれている。

「人間は平等で、努力は報われ、見た目は大した問題ではない。」

だが、それらは絵空事で往々にして努力は遺伝に勝てない。

知能や学歴、年収、犯罪歴も例外でなく、子育てや教育はほぼ徒労に終わる。

進化論、遺伝学、脳科学の最新知見から、人気作家が明かす「残酷すぎる真実」。

読者諸君、この不愉快な現実を直視せよ。

 


言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書)


もっと言ってはいけない (新潮新書)

 

運動神経の良し悪しは遺伝で、知能の高低を遺伝というのはタブー。

確かにこのような風潮があると思います。

この本では人種、民族間でのIQの違い、知能や犯罪歴の遺伝などなかなかテレビなどでは扱いにくいテーマを取り上げています。

 

面白かった内容を挙げていきます。

 

1.年齢とともに遺伝率は上がる

白人と黒人ではIQが異なり、白人の方が1標準偏差ほど高いというデータがあります。

しかし白人の両親に育てられた黒人の養子は、白人の子供と同じようにIQが高いことがわかっていました。これは環境によりIQが高くなることを示唆します。

しかし思春期以降まで追跡すると、同じ環境に育ったはずなのに徐々に黒人の子供のIQが白人よりも低くなっていく。

 

幼少期に教育で引き上げられた知能が、遺伝の影響によって引き下げられる。

なかなか衝撃的です。

 

2. 小学校に上がってからでは遅い

アメリカの経済学者ヘックスマンは、子供が小学校に入学する6歳の時点で認知的到達度(学業成績)の格差は明白だということに気づいた。

1960年代のアメリカで始まった、3歳から4歳の子供達に就学前教育を行い、その結果を40年にわたって追跡するという大規模な実験が行われた。

ヘックスマンはこの実験を詳細に検討し、教育支援を受けたグループは、高校卒業率や持ち家率、平均所得が高く、生活保護受給率、逮捕者率が低いことを明らかにした。

 

3.性格スキルは10代以降でも伸ばせる

知能を伸ばすのには就学前教育が大事だが、その人の性格の形成には思春期以降の環境も大きく影響する。その環境とは主に学校などでの友人関係のことで、

家庭の影響はかなり少ない。

 

思春期以降の性格の形成に家庭の影響がかなり少ないというのは面白く、確かに振り返ってみると、学校の中の立ち位置(キャラ)が、大人になっても続いている気がします。

 

 

以上の話から、もし自分の子供を、知能の高い、そしてしっかりとした人格に育てたければ、

①幼児教育をしっかり行う。

②思春期は良い環境(学校)で過ごさせる。

ということになります。

 

ただ、良い学校に行ったからと行って、良い性格・人格になる訳ではないということは、明らかです。これはなかなか難しいところ。

 

医者の同僚の話を聞いていると、やはり幼い頃から公文や塾に通い、中学や高校では地元の進学校に通っている。

 

これはスポーツでも同じかもしれません。一流の選手は幼少期からその競技を始めている事が多く、高校も強豪校に通い、選手としての能力・人格が形成されていきます。

 

子供には向き不向きもあり、スポーツが得意な子もいれば、勉強が得意な子もいる。

親がしっかり子供の得意なことを見つけてあげるのも大事だと思います。

 

しかし、知識社会の現代では、よっぽどスポーツや音楽の才能などがない限り、とりあえず勉強を優先させておくのが賢明なのでしょうか。

 

色々な事を考えさせられ、勉強になる本でした。

 


言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書)

 


もっと言ってはいけない (新潮新書)