医者が負け組になる時代は来るか

沖縄の勤務医です。

 

現代においては、医者はまだ勝ち組と言えるかもしれません。

若いうちから年収は1000万円を超え、社会的な地位もある。

 

しかしそれは未来永劫続くのか。

今回は医者の未来について考えてみたいと思います。

 

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日本の医者は準公務員である

日本において、保険診療における医療費は通常3割が自己負担、残りの7割を保険制度からまかなっています。

 

2018年度の医療費は、42兆6000億円で過去最高となりました。

このうち上記の患者の自己負担と保険制度でカバーできているのは約6割で、残りの4割は税金で補填されます。

医療費が過去最高の42兆6000億円、それでも進まない抜本的改革:日経ビジネス電子版

 厚労省は9月26日、2018年度の医療費が42兆6000億円で過去最高になったと発表した。薬価下げなどの対策も進むが、抜本的な改革には至らない。厚労省のある職員がその背景を打ち明けた。

 

この42兆6000億円は誰に支払われているかというと、当たり前ですが、病院ですね。

病院はこの中から人件費を払い、新たな医療機器や薬剤を購入したり、設備投資を行ったりします。

 

このように、公立病院や民間病院関係なく、医者の給料の半分以上は国民から集めた保険料や税金で賄われていることから、医者は準公務員と言えます。

 

これは保険診療をしていれば全ての医者が該当しますので、開業医も例外ではありません。

 

日本の医療の未来

医者の将来について考える前に、まず日本の医療の未来について考えてみます。

国民皆保険制度の存続

国民皆保険制度は日本が世界に誇る素晴らしい制度です。

しかし医療費が年々増大する中、この制度を維持するには、

①患者負担、または保険料を増額する(増税する)

②医療費を抑える

を行う必要があります。

 

10月から消費税が8%から10%に上がりましたが、安倍首相はこの増税分は医療や年金などの社会保障に充てると言っていましたね。これは①に当たります。

②に関してはジェネリック医薬品を使用することや、保険点数の引き下げなどが考えられます。

しかし大幅に保険点数を引き下げると病院の売り上げが減り、破綻するところが出ると地域医療に影響を与えますので、大胆な引き下げはできません。

 

国民皆保険制度を維持するには①、②を少額ずつでも確実に進めていく必要があります。

 

国民皆保険制度の崩壊

 そして①、②が失敗した場合、最悪のシナリオとして国民皆保険制度の崩壊 

があります。

国民皆保険制度が崩壊した場合、日本はいったいどうなるのでしょうか。

 

おそらくアメリカのように、各自で民間の医療保険に加入しなければならないでしょう。

救急車を呼ぶのにも、盲腸の手術を受けるにも、まず自分の加入している保険がそれをカバーしているか確認する必要があります。もしカバーされていなければ、すべて自費。つまり、加入する保険の種類によって受けられる医療の質が変わってくるということですね。

 

結局医者の給料はどうなるのか

長々と書いてきましたが、結局医者の給料が減り、負け組になる時代は来るのか。

 

これからの日本は少子高齢化、人口減少とあまり明るい将来を想像できないわけですが、私は医者に関しては楽観的に考えています。

 

国民皆保険制度が存続するか崩壊するかで医者の待遇を考えた場合、おそらく下のようになります。

 

(1) 国民皆保険制度が存続する場合 → 医者の待遇は今とそれほど変わらない。

(2)国民皆保険制度が崩壊した場合 → 医者の間でも格差が広がる。

 

もし皆保険制度が崩壊した場合、医者の給料も患者の数や質、手術の件数などで差が出て来る可能性があります。

アメリカでは専門科によって年収に差があり、家庭医などでは1300万円くらいですが、心臓外科などでは年収5000万円以上とも言われています。

 

おそらく日本においても社会情勢の変化で医者の収入格差が広がる可能性はあります。

しかしどんなに収入が下がっても、医者はその気になれば僻地に行ったり細々としたバイトをすることも可能なので、一人前の医者であれば年収700-800万円以上はあると私は予想します。

これは現在の医者の給与水準から見ればかなり低いですが、負け組ではないですね。

 

 そのほか、AIの台頭で医者の仕事が奪われる可能性が叫ばれていますが、こちらも私は比較的楽観視しています。

まず AIに関しては、AIに学習させる段階でどうしても患者情報や画像データ、医者の知識が必要になるので、医者や学会主導で開発を進める必要があります。

現に放射線学会や皮膚科学会では開発がスタートしています。医者が開発する以上、責任は医者にありますし、AIが無人で診断から治療まで全てを行うことは倫理的にも不可能です。むしろ、AIを扱う科は専門医の数に人数制限がかかり、給料が上がるかもしれないという予測もあります。

 

まとめ

いかがでしょうか。

私は今の所、医者の将来についてはあまり心配していません。

しかし、これからも社会情勢を注視し、自分の子供や医者になりたいと考える人達に適切なアドバイスができるようにしたいと考えています。

 

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