医者と製薬マネー

沖縄の勤務医です。

 

文部科学省が実施した調査で、2016年の1年間に製薬会社から1500万円以上の報酬を得た医師が29人いることが判明したというニュースがワセダクロニクルに載っていました。

1,500万円超29人、糖尿病・循環器病の専門医に集中: 文科省調査

ワセダクロニクル(Waseda Chronicle / Watchdog Japan)は国際組織GIJNに加盟するジャーナリズムNGOです

 

今回は医者と製薬マネーについて考えていきます。

 

医者が製薬会社から得る報酬

一般的にはあまり知られていないかもしれませんが、大学教授などの有名な医者は製薬会社から報酬をもらっていることも多いです。

製薬会社から医者に払われる報酬は原稿執筆料、コンサルタント料などがありますが、大部分は講演料です。

ある特定の分野で有名な大学教授等は、製薬会社主催の医者向けの講演会で講師を務めることが多く、その報酬として講演料を受け取ります。

大体1つの講演で30分から1時間くらい話をしますが、報酬は5万円〜20万円でしょうか。

有名人の講演のギャラは1時間で100万円とかするのでそれと比べるとまともな気がします。

 

製薬マネーの問題点

医者が製薬会社主催の講演を行い報酬を受け取ることは違法ではありませんが、いくつかの問題があります。

医者が製薬会社の広告塔として利用されている

製薬会社は有名な大学教授に商品を紹介してもらうことで、その薬を多くの医者に使ってもらいたいと考えています。

講演をする医者は広告塔として利用されていることに自覚を持つ必要があります。

 

本来の業務がおろそかになるおそれ

大学病院の教授に期待される役割としては、教育・研究があります。

しかし過度に講演の仕事を入れてしまうと、病院にいる時間が短くなり後輩医師や学生の指導、研究活動がおろそかになる可能性があります。

 

沖縄の勤務医の考え

私個人としては、教育や研究、診療などの本来の業務をしっかりこなしていれば、講演の仕事を行うことは問題ないと考えています。

講演の準備は意外と大変で、60分の講演を行うためには、私ならば少なくとも一週間くらいの準備期間が必要です。作業時間にすると15−20時間くらいになります。

日中は診療で忙しいのでこういった作業は大体夜間や早朝の勤務時間外に行うことになります。

 

日本では大学教授の給与は国立大学だと約1200万円であり、これは医学部の教授も工学部の教授も変わりません。医学部の教授は他病院での診療や講演料を含めるとトータルの年収で2000万円程度でしょうか。

一方、アメリカや欧州では医学部教授の年収は3000万円ほどだと言われています。つまり、世界的に考えると日本の教授は必ずしも多くの報酬を得ているわけではないのです。

 

講演の内容も商品の宣伝というよりは、疾患についての最近の話題といった実際に勉強になる内容のことも多く、現場の医者にとってはありがたい存在です。

 

しかし、一般的な感覚からすると医者が製薬会社から多額の報酬をもらうことは違和感があるでしょう。

講演をする医者も、聞く医者も製薬会社との癒着を疑われないように行動する必要がありますね。

 

ワセダクロニクルでは、製薬会社から報酬をもらった医者をデータベース化しており、現在は2016年の情報が公開されています。このデータベースは大学病院に限らず全ての医者を載せています。医者の名前で検索できますので、自分の主治医や知り合いを検索してみるのも良いかもしれません。

検索に引っかからなければ、その医者は少なくとも2016年には製薬会社から報酬をもらっていません。

 

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