医学部合格者が増えた県

沖縄の勤務医です。

 

医師専用サイト、m3.comに「直近8年で医学部合格者が増えた県・減った県」という記事が載っていました。

 

要点をまとめます。

 

 

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最も合格者が増加したのは東京都、沖縄は10位

 都道府県別の国公立大学医学部医学科合格者数の推移

  人口 2012年度 2015年度 2017年度 2018年度 2019年度 2012年からの増減
1. 東京 1394万人 569 674 650 666 672   +103
2. 兵庫 546万人 293 295 341 343 368   +75
3. 愛知 755万人 347 328 359 387 392   +45
4. 岡山 189万人 84 116 120 123 117   +33
5. 千葉 627 万人 107 146 137 145 132   +25
6. 福岡 511万人 199 220 267 221 223   +24
7. 香川 95万人 41 61 67 52 65   +24
8. 山形 107万人 24 33 31 35 46   +22
9. 富山 104万人 50 73 65 51 71   +21
10. 沖縄 145万人 78 108 98 80 94   +16
11. 大分 113万人 53 54 49 46 69   +16
12. 神奈川 920万人 188 186 213 219 203   +16

 

この記事では2012年度と2019年度の合格者数を比較して、合格者数が増えた順にランキングされています。

1位は東京の103人増で672人、沖縄県は10位で16人増の94人となっています。

 

このようなランキングでは基準とする年度で結果が変わってくるので注意が必要です。

単年度の増減を見るのではなく、全体を眺めることが重要です。

 

この表からわかることは、沖縄県から国公立医学部に合格する生徒は、過去5年間では毎年80-100人くらいであるということです。

 

さらに、この記事から2019年度のみの合格者数を抜き出して都道府県別に20位までランキングしてみました。

都道府県別、国公立医学部医学科合格者数ランキング

  合格者数(人)
1. 東京 672
2. 愛知 392
3. 兵庫 368
4. 大阪 315
5. 北海道 230
6. 福岡 223
7. 神奈川 203
8. 京都 185
9. 広島 177
10. 奈良 155
11. 千葉 132
12. 鹿児島 131
13. 岡山 117
14. 静岡 109
15. 埼玉 105
15. 愛媛 105
17. 沖縄 94
18. 三重 91
19. 茨城 87
20. 宮崎 77

沖縄県は17位にランクイン。沖縄県の人口は145万人で47都道府県では25番目であることを考えると、(琉球大学が国公立医学科の中では簡単な方ではあるといえ)健闘していると言えるのではないでしょうか。

その他ランキングを眺めて見ると、やはり人口の多い都道府県が上位にランクインしていますが、奈良や鹿児島など人口が少ない県でもランクインしているところがあります。これは東大寺学園やラ・サール高校などの全国的にも有名な進学校があるためと考えられます。

最も合格者を減らしたのは長崎県

一方、2012年度と比較して国公立医学科合格者を最も合格者を減らしたのは長崎県でした。

長崎県の国公立医学部医学科合格者数の推移

  人口 2012年度 2015年度 2017年度 2018年度 2019年度 2012年からの増減
長崎 132万人 116 79 85 75 73 -43

116人→73人と43人減となっています。

ただこの場合も2012年度が特に合格者が多かっただけという可能性もありますので、全体の経過をみる必要があります。

記事には長崎県の進学校の結果も載っており、青雲高校や長崎西の実績が落ちていることが要因ではないかと考察されていました。

 長崎県内進学校の国公立医学部医学科合格者数の推移

  2012年度 2015年度 2017年度 2018年度 2019年度 2012年からの増減
青雲 50 39 36 42 30 -20
長崎西 21 15 22 10 9 -12
長崎東 10 5 5 3 3 -7

 

青雲は以前沖縄からも 一定数の生徒が入学していましたが、昭和薬科が近年実績を伸ばしていることもあり、わざわざ沖縄から入学するメリットは少なくなっています。

 

沖縄の高校から国公立大学医学科に進学するには

2019年度に沖縄から国公立医学科に合格したのは94人ですが、そのうち92%に当たる87人が昭和薬科(53人)、沖縄尚学(18人)、開邦(16人)の卒業生です。

 

上記の3校以外からの合格者は94-87=7人ですが、そのうち6人は琉球大学医学科の合格者であることがわかっています(向陽2人、球陽1人、コザ1人、宜野座1人、沖縄カトリック1人)。

 

つまり昭和薬科、沖縄尚学、開邦以外の高校から県外の国公立医学科に合格したのはわずか1人(7-6=1)だけということになります。

この1名がどこの高校の生徒か調べてみましたが、残念ながらわかりませんでした。

 

ちなみに、2019年度に沖縄から県外の国公立医学科への合格者は31名ですが、内訳は昭和薬科24人、沖縄尚学5人、開邦1人、不明1人となっています。

 

2019年度 沖縄県内各高校の国公立医学科合格者数

  昭和薬科 沖縄尚学 開邦 その他高校
琉球大学医学科 29 13 15 6 63
県外国公立医学科 24 5 1 1 31
53 18 16 7 94

以上のことから現時点では、

①国公立医学科に合格するためには昭和薬科、沖縄尚学、開邦に進学する。

②県外国公立医学科に合格するためには昭和薬科が有利。

ということが言えます。

 

医学部合格には王道の進学コースがありますが、医者以外にはあまり知られていないのが現状です。

誰かの参考になれば幸いです。

 

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