医者の働き方

沖縄の勤務医です。

 

皆さんは我々医者がどこで働いているかご存知でしょうか。

一般的には病院の勤務医やクリニックの開業医などをイメージするかと思います。

しかし実際には医者の働き方はさまざまで、一般の方が思いも寄らないところで働いていたりします。

今回は「医者の働き方」ということで、色々な勤務形態をご紹介します。

 

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1. 勤務医

まずは勤務医。一般的にイメージされる医者ですね。

大学(国)や県、民間の医療法人に雇われて働いている医者です。

開業医を除くと医者の約8割がこの形態かと思います。 

しかし、勤務医にも雇われる医療機関によって若干の違いがあります。

 

大学病院の勤務医

国立大学や私立大学の附属病院で働く医者です。

沖縄県には琉球大学医学部附属病院がありますね。

特徴としては、珍しい病気や難病の治療をしていたり研究を行うことがその他の病院と異なるところです。また、医学生の教育も大学病院の大事な使命の一つです。

ちなみに、国立大学ではある程度経験を積み大学病院の正職員(助教以上)になると、身分も国家公務員に準じたものとなります。

基本給は教授(50-60歳くらい)でも年収1200万円程度と民間病院と比べると安いため、週に1-2回、他の病院で外来や当直などのアルバイトをしている医者が多いです。

 

公立病院の勤務医

県立病院や市立病院などで働く医者です。

沖縄には県立中部病院や那覇市立病院などがありますね。

国立大学病院の医者と同様、正職員は公務員に準じた身分となります。

これらの病院の特徴は救急患者が多いこと、また重症患者や癌患者に対する専門的な治療も行われています。沖縄では離島や僻地にも病院や診療所があり地域医療を支えています。

また、沖縄県において琉球大学医学部ができる以前は県立中部病院が研修医教育を一手に担い、優れた研修医育成システムを整えていました。そのため「沖縄県立中部病院」は全国的にも有名で初期研修のメッカとなっています。現在でも全国から優秀な研修医が集まっています。

離島など勤務地にもよりますが、殆どの場合医者5,6年目で年収1000万円を超えます。

 

民間病院の勤務医

民間の医療法人で働く医者です。

規模はさまざまですが、沖縄では大きい病院だと中頭病院や徳洲会病院、豊見城中央病院などがありますね。

特徴は病院によって、救急が強い、外科や整形外科が有名など様々です。

こちらも医者5,6年目で年収1000万円を超えることが多いです。

 

クリニックの勤務医

小規模なクリニックで働く医者です。

クリニックの医者というと開業医というイメージですが、実際にはオーナーが別にいて院長は雇われ、というパターンも存在します。 

自分で開業するとなると多額の借金をしたりある程度リスクがありますが、雇われの場合はそういった心配は不要です。

報酬は1000-2000万円/年のことが多いかと思います。

 

2. 開業医

自分でクリニックを経営する医者です。

親のクリニックを継いだりすることもありますが、多くの場合、億単位の借金をして開業しています。医者としての知識や技術に加え、経営の能力が問われます。

勤務医とちがい、診療内容などある程度自分の思うようにクリニック経営を行うことができますが、長期の休みは取りにくいなど、大変な面も多い。

もちろんクリニックが繁盛しなければ勤務医より年収は低くなりますし、成功すれば青天井です。

 

3. フリーランス、パート

フリーランスとはどの施設にも所属していない医者のことです。

週に何件か単発のバイトを行い、収入を得ていきます。

内容は検診や胃カメラ、当直、手術の麻酔など様々です。

医者のバイトの相場は時給1-2万円なので、多くのバイトをこなすことで年収数千万も夢ではありません。

しかし、個人事業主なので保険料は収入から自分で納めなければなりませんし、病気や事故などで働けなくなると一気に収入がゼロになるリスクもあります。

一方、パート医は一つの医療機関に勤めていますが、時短や週3-4日働く、といった勤務形態です。ママさんドクターなどがこの制度を利用しています。ただしパートでも年収500-700万円以上もらえることが多く、医者はまだ恵まれていますね。

 

3. 医療行政

医師でありながら、いわゆる「官僚」として厚生労働省などで働いている人たちがいます。

このような医者を「医系技官」といいます。

医者としての経験を活かし、医療制度作りなどに関わります。

役所での事務仕事が中心で、基本的には患者の診療を行わない点が勤務医と大きく異るところですね。

年収は厚生労働省の35歳、課長補佐で850万円程度とされています。これは同年代の医者と比べて6割くらいの年収であり、高いとはいえませんね。お金ではなく、「日本の医療を良くしたい」という使命感を持って働いているのだと思います。

医系技官は基本的に国家公務員ですが、各都道府県にも保健所の医師、所長として働く医者がいます。沖縄県でもたまに募集しています。

https://www.pref.okinawa.jp/site/somu/jinji/jinji/r1isisyuninisibosyuu.html

 

医系技官については下記のブログがよくまとまっていたので、興味があるかたは御覧ください。

 

【年収は?激務?】厚生労働省の医系技官に話を聞いてきた | 刺激の海へ回転ダイブ!

つい最近、厚生労働省の医系技官の方に仕事内容などを一通りお聞きする機会があったので、その内容を話したいと思います。 医系技官についての詳細な情報はなかなか出回っていないと思うので、貴重な内容になっていると思います。 医系技官のキャリアを考えている人はぜひご覧ください。

 

4. 研究者

医者でありながら研究者として成功している人たちもいます。

ノーベル賞を受賞した本庶佑先生や山中伸弥先生は記憶に新しいですね。

患者さんの診療のかたわら研究を続けている医者もいれば、診療は行わず研究に没頭している医者もいます。本所先生や山中先生は後者です。

研究者は大変な仕事ですが、医者が恵まれていると思うのは、 もし研究がうまくいかなくても医者として食べていけると言う点です。

普通の研究者だとそうはいかないので、結果を出すために研究も命がけですね。

 

5. 企業に務める医者

病院ではなく企業で働く医者も存在します。

製薬会社などで研究をしたり、臨床経験を生かした薬剤開発を行ったり。

また大企業に勤め、産業医としてその企業の従業員の健康管理を行う医者もいます。

 

まとめ

いかがでしょうか。

こうしてみてみると医者といってもその働き方はさまざまです。

 医者の良いところはやはり給料が景気に左右されない点でしょうか。

 

コロナウイルスの拡がりで小売業や観光業、そして世界経済全体が打撃を受ける中、我々医療従事者は活動自粛どころかその需要が高まります。

 

誰かの参考になれば幸いです。

 

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